『ファタール』のアーティストに6つの質問!


fatale1_cover 『ファタール』のアーティスト、ショーン・フィリップスが日本の読者のために6つの質問に答えてくれました。

『ファタール』のライター、エド・ブルベイカーとの新作『ザ・フェードアウト (The Fade Out)』の締め切りを目前に多忙を極める中、インタビューのリクエストに応じてくれたショーン・フィリップスに感謝!

Q1. コミック業界で仕事を始めた経緯について教えてください。

A1. 13歳の頃、コミック作家のケン・ホートンが僕の学校で教えていた夜間授業に通い始めたんだ。彼は色々教えてくれて、15歳の頃には彼の元でペンシル (鉛筆画) の仕事をするようになっていた。僕の絵に彼がペン入れして何倍も良く見せてくれて、英国の少女向け週刊コミック雑誌に出版されたんだ。

Q2. イラストレーターとしてもペインターとしても素晴らしい才能をお持ちですが、コミックを選んだ理由は?

A2. 子供の頃はマーベルコミックスに嵌っていて、趣味でしょちゅうマンガを描いていた。そしてケンと仕事を始めた時、本当の仕事 (オフィスワーク) に就くより楽しいと思ったんだ。美術大学でグラフィックデザインの学士を取った後は、雑誌のデザイナーかイラストレーターになるつもりだった。それもやったけれど、大学を卒業した2ヶ月後には「クライシス」そして「2000AD」の仕事をしていた。以降、コミック以外の仕事はやってない。コミックの仕事がとても忙しくて、時間がなかったので。

今は「クリミナル」や「ファタール」など自分の本を持っているから幸運だね。ペインターとして自分の好きなようにイラストが描けるから。エド (ブルベイカー) と僕は編集者や出版社から指示を出される事はない。本に合ってさえいれば、どんな絵でも自由に描ける。だから色んな技法やスタイルを試す事ができるんだ。イラストレーターだったら、顧客に馴染みある絵柄のために雇われ、その絵柄をアートディレクターに求められるからね。でも僕にとってコミックに大切なのはストーリーテリング (物語) であって、例えば肘をいかに上手に描けるかじゃない。

Q3.  ファタール第1巻を描いていて楽しかったのは?

A3. 新しいプロジェクトの始まりは一番楽しいね。キャラクターや場所のデザイン、ページのレイアウトの設定、表紙や中身に使うフォントの選択。その後に来る120ページの物語を描くより遥かに楽しいよ!

Q4. ファタールのキャラクターデザインについて。ジョセフィーヌとニコラスのモデルは居ましたか?エド・ブルベイカーはジョセフィーヌのモデルに女優のイヴォンヌ・デ・カーロを挙げていましたが。

A4. そう、ジョーのデザインは映画「裏切りの街角 (Criss Cross)」からの写真2枚に基づいている。ニコラスには黒髪に銀髪の束を入れてほしいとエドに言われたけれど、特定のモデルはいない。他のキャラもそうだ。実際にコミックを描き始める前にキャラクターデザインはやらないんだ。ページ上でキャラが何をするか知るまで、彼らの姿はわからない。

Q5. ファタール第1巻の主な舞台は50年代で、その時代のファッションや建物がたくさん登場します。どれくらいリサーチに時間をかけるのでしょうか?

A5. 満足いくまでリサーチする時間がなくて。大体は Google を使ってる。でも相当な数のファッションや各時代のアメリカ都市の写真集を持っているよ。エドが時々観るべき DVD を勧めてくれるけど、実際に観る時間がないね。

Q6. エド・ブルベイカーとは SLEEPER で組んでから共に作品を作り続けていますが、長年の共作で仕事のやり方に変化はありましたか?お互い物語や絵にどれくらい意見を求めるのでしょうか?

A6. Sleeper を描いていた頃は、エドより編集者と連絡を取っていたんだ。今は——彼はアメリカ、僕は英国に住んでいるから、(国際) 電話はしないけど、しょっちゅうメールしている。(意見交換に関しては) 僕は脚本が良かったと彼に伝え、彼は僕が送ったページが気に入ったと教えてくれる。それくらいだね。お互いの仕事に干渉しないんだ。去年は2回会ったけど、その前は5年ほど顔を合わせてなかった。でも構わない。お互いを信頼しているからね。

2014.11.06.

ショーン・フィリップス公式サイト:The Art of Sean Phillips

ファタール第1巻 死神に追われて

文:エド・ブルベイカー
絵:ショーン・フィリップス
翻訳監修:吉川悠
翻訳:山根真紀

ISBN:978-4-9907983-0-7
定価:1800 円+税

 

アマゾンとブリスターで発売中!電子書籍版は ebook Japan で発売中です。
store_amazon store_blisterebookJapan