ウェス・クレイグ、『デッドリー・クラス』を語る!


海外のアメコミニュースサイト The Beat に、『デッドリー・クラス』のアーティスト、ウェス・クレイグのインタビューが掲載されました。

興味深い箇所をかいつまんで日本語でご紹介。

Q. 絵の工程はアナログ?デジタル?

A. 殆どアナログ。ブリストルボードと Micron のカリグラフィーペンを使っているよ。他の人はあまり使ってないようだけど、これで極細の線も極太の線も描ける。ブラシみたいな感じで、でも Micron Sakura より筆先が丈夫なんだ。

あとタッチアップに Photoshop。車を描くのが嫌いなので、ちょこっと SketchUp を使っているよ。認めたくないけど、時々 SketchUp でチートしている (笑)。サヤのタトゥーもデジタルだ。Photoshop に彼女の全身のタトゥーを描いたレイヤーを作って、絵に重ねている。

Q. 車を描くのが苦手なんですね。じゃあ描くのが好きなのは?

A. リン師匠。シワだらけの顔を描くのが好きなんだ。他のキャラが皆若いから、たまに老人のしわくちゃな顔を描けるのは楽しいね。

Q. 『デッドリー・クラス』において、カラーは非常に大事な要素ですね。絵を描く時点でも彩色に気を配りますか?

A. そう、色は大事な要素だ。僕自身は (カラーについて) あまり考えないようにしている。リックは脚本通りに描かなくても、僕が自由に仕事できるように任せてくれているので、僕もカラーリストに委ねている。

でも表紙のカラーは僕がやっているよ。僕がカラーを担当してるのは表紙だけだ。

Q. 戦闘シーンはとてもダイナミックで読み応えがありますね。キャラたちの動きや流れが自然です。どうアプローチしているのですか。

A. 特に1話では読者に (アーティストとして) 印象を与えたかった。リックはビッグネームだから、僕も目に見える形で貢献したかったんだ。1話には長いチェイスシーンがあって、そのぶんページ数も多かった。

僕は時間のあるとき、コミックではやりにくい事をメモしてスケッチブックに詰め込んでいる。たとえば動きや音楽のリズム、タイミングなど。たくさんのスケッチブックが手元にあったので、1話の戦闘シーンを読んだ後、ダイナミックなチェイスシーンを描くためのメモを読み返した。ページからキャラの感情を感じ取れるような。(チェイスシーンの) 流れも色々試して、うまく行かなかった場合はスケッチブックを読み返したよ。

Q. 『デッドリー・クラス』はとてもダークな本です。グロテスクなシーンを描くときは、思いっきり残酷に描くか、表現を和らげるか悩みますか?

A. 難しいよ、僕にとっては。僕は穏便な人間だから、そういったシーンを描くのは好きじゃない。『デッドリー・クラス』には確かに暴力 (のシーン) があるけれど、それをクールに見せたくないんだ。時々失敗して、クールに見えてるかもしれないけどね。でも、ティーンの子が誰かを殺したら、読者に「何てカッコいいんだ!」と思ってほしくない。感情に流されてやってしまって、後悔している様に見せたいんだ。簡単な事じゃないよ。

昔のヒッチコック映画のように、斧が振り上げられるショットがあって、でも斧が振り下ろされると、その結果は画面に写らない。暴力行為があった印象を与えるだけだ。逆に直接的なグロで、何が起きたか鮮明に見せるのもいいかなと思う事もある。どっちがいいかはわからないけど、暴力を見せるなら、それがいかに残酷で気持ち悪いかしっかり見せて、クールじゃないと読者に思わせたほうがいいのかもしれない。

もちろん戦闘シーンには独特の美しさがある。バレエのような。でも本を読んだ若い子に、「この子達、暗殺者だ!かっこいい!」と思われたくないんだ。(『デッドリー・クラス』の) キャラ達は厳しい現実を生きているから。

Q. 『デッドリー・クラス』を描き続けるためのインスピレーションは?

A. 気が散って集中できない時は音楽を聴くけど、それでも足りない時は、80年代にコミックショップに初めて足を運んだ時の事を思い出すね。あの頃は『アキラ』、メビウス、デビッド・マズケリーの『デアデビル』と『バットマン:イヤーワン』に夢中だった。

初めて自分で買った本はウィル・アイズナーの『スピリット』。Kitchin Sink Press から再版されていて… 他にも外国からの輸入ものや、インディーズ市場も始まったばかりで。コミックにはとてもいい時代だったね。

他にも色々忘れているだろうけど… フランク・ミラーには多大な影響を受けた。彼の『Ronin』は僕にとって大事な作品だ。ストーリー展開は『Ronin』、4コマx4コマのグリッド構成は『Dark Knight Returns』を参考にしている。『デッドリー・クラス』にも強く影響が表れているよ。

インタビューの全文はこちらからどうぞ (英語)。ネタバレはありません。

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デッドリー・クラス第1巻 レーガン・ユース

文:リック・リメンダー
絵:ウェス・クレイグ
翻訳:吉川悠

ISBN:978-4-9907983-0-7
定価:2200 円+税

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